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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第8回 大和川の夕日

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NHK大阪放送局(BK)制作の朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』がキリのいい2021年11月1日からスタートしました。原作は2007年後期朝ドラ『ちりとてちん』や大河ドラマ『平清盛』などを手掛けている藤本有紀さんです。

前作の『おかえりモネ』も私個人としてはけっこう好きで毎回楽しみに見ていたのですが(けっこう感想書いたしw)、どちらかというと見ていてかなり心が重くなることも多かったので…朝見るドラマとしてはちょっとしんどかったかもしれません。ただ、坂口健太郎くんが演じた菅波先生は大好きでした!最後の最後の展開は個人的に不満が残ったんですが(苦笑)、「俺たちの菅波」は私の中ではかなり上位のベストキャラだったと思っています。

それを受けて始まったBKの『カムカムエヴリバディ』も毎日夢中になって見ています。今住んでいる岡山県が舞台になってますし、それになんといっても藤本有紀さん原作ですからね。『ちりとてちん』では前半の早い段階から滝のように涙を流しながらどっぷりと沼にハマりまくらされましたからw、藤本さん作品には絶対的な信頼を持っている部分が大きいです。

全部が全部好きな作品というわけでもないのですが(汗)「ちりとて~」も「清盛」も超名作だと思ってるし、『カムカム』の予告を見た段階ですでにウルっとくるシーンもあったので、ドラマが始まるのを楽しみにしていました。

本当は昨日の時点で書こうと思っていたのですが時間がなくてスルーということになっちゃいました(苦笑)。なぜか書こうと思ったかというと…、徳井優さん演じる”こわもての田中”が登場したからです。

この”田中”さん、『ちりとてちん』では”あわれの田中”として登場(笑)。自分の不幸を語ってお金をだまし取ろうとするキャラだったんですよねwww。その御先祖さんは”こわもて”だったことが約14年を経て今回判明いたしました(え、違ww?)。徳井優さん、また藤本作品で”田中”さんとしてお会いできて嬉しかったです。大福8個も食べての熱演だったそうで、お疲れ様でした。
個人的には、去り際の「熱~~いお茶が怖い」のセリフに笑いましたwww。これ、落語の「まんじゅう怖い」をかなり意識してますよね。ぬるいお茶への嫌味ってことだったのかなw。

ということで、遅ればせながら時間ができたときにまたちょいちょい感想を書いていきたいと思います。

これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー
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戦況が厳しくなり砂糖の配給もままならなくなったある日、安子は父の金太から見合いを勧められてしまう。相手は、砂糖の生産会社の次男だという。砂糖不足で満足に商品が作れなくなり店の存続に危機感を持った金太の苦肉の策だったわけですが、あくまでも表向きは「年が明ければ16歳になるのだから良い頃合いだろう」と娘のための見合いということをアピール。

しかし、安子は出会ってからずっと心惹かれている大学生・雉真稔の存在があったためその話に大きく動揺してしまう。稔は地元でも有名な名家・雉真家の跡取り息子でもあったため、安子は自分とは釣り合わない相手だと思っている。それでも、文通を重ねていくなかで稔への想いはどんどん膨らんでどうしようもならない。親にはそのことを言い出せないし、安子としては苦しい立場でもある。

文通で想いを募らせていくっていう展開は、朝ドラ『エール』の裕一と音も同じような感じだったなぁと思い出しました。手紙だからこそ伝わる相手の気持ちっていうのも素敵なことだと私は思う。そうそう、安子役の上白石萌音ちゃんが手紙を書くシーンがあったけど、めちゃめちゃ字がきれいでビックリしました。あんな綺麗な字が書けて羨ましい…。

金太の魂胆を見抜いていた祖父の杵太郎は「これは政略結婚じゃ」とネタばらしw。祖母のひささんは「金太と小しずさんも政略結婚みたいなものじゃったし」と重ねてくるw。そうだったのか!と安子も私もビックリ(笑)。小しずさんは小豆農家の娘さんで、金太は最初見合いを断ろうとしたものの、一目会ったらそこで惚れちゃった…という顛末まできれいにバラされてしまいちょっと気の毒だったかもw。
ちなみに杵太郎さんとひささんは”恋愛結婚”だったそうで二人ともドヤ顔(笑)。ちょっと緊張感あるシーンになりそうになったところでの、こういったクスリとできる会話が挟まってくるのが良いなと思います。

金太は「一人娘を変な男に嫁がせるつもりはない」と表向きは気遣いの言葉を告げていましたが、長男の算太にはもう期待できないということを思い知らされているので、ここは何とか話を受けてほしいという気持ちがダダ洩れしてしまっている(苦笑)。
しかし、安子はその場で返事をすることはできなかったようでした。そんな娘を母の小しずは心配し「無理に引き受けなくてもいいから」と優しく諭します。

「みんな安子には幸せになってほしいと思っとる。だけど、何が安子の幸せなのかは安子にしかわからんのじゃからな」

小しずさんの娘への温かい愛情が泣ける(涙)。
母を心配させまいとした安子はその場では何とか笑顔を作り頷きましたが、心中は複雑だったと思います。稔への想いがあるため本心では見合いをしたくない気持ちが強いけれど、店が大変な時期に来ていることも肌で感じていた。父の苦しい心境も理解できてしまうため、見合いを受けて店を助けるという運命を受け入れなければならないのかもと思っちゃっただろうな…。

稔からもらった英語辞書を手に取りながら思い詰めた表情をしている安子の横顔が切なかった(涙)。

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翌日、ラジオから英会話教室の声が聞こえてくる時間になっても安子は自分の部屋から出てくる気配がない。毎日欠かさず聞いていたのにこの日に限って現れないことを不審に思った小しずが安子の部屋を覗いてみると、その姿はなく「今日中に戻る」という書置きが残されていた。

慌てた小しずは安子の友達で豆腐屋の一人娘のきぬの元へ駆けつける。彼女なら何か知ってるかもしれないという親としての勘でしょうね。昨日起きた事情を説明して「安子の幸せが一番だと言ったんだけど…」と戸惑う小しずに、きぬは呆れた顔で

「あほじゃなぁ、おばちゃん。そんなのよけいに安子ちゃんを追い詰めるだけじゃが~。大丈夫じゃ、夜にはちゃんと帰ってくる」

とため息をつきます。いやぁ~~、いいですよね、この達観したキャラのきぬちゃんww。真っ先に思い出したのは『ちりとてちん』で喜代美の親友だった順ちゃんでした。『カムカム~』でも彼女を彷彿とさせるキャラが登場ということで、今後の展開も楽しみです。だけど、今季朝ドラは岡山編短そうだからあまり深くは掘り下げられないかなぁ。ちょっと残念。
あの時順ちゃんを演じてた宮嶋麻衣さんは今回荒物屋「あかにし」の奧さんとして出演してますね。

小しずはそれでも心配で、気になっていたことをきぬに問いかける。その予感は的中していました。小しずさんは、安子が雉真稔に恋していることに気づいていたんですね…。彼のいる大阪へ向かったことをこの時ようやく悟るのでした。

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稔からもらった手紙の住所を頼りに安子が到着した駅は難波電鉄の「杉川町」駅。これは架空の駅ということで、阪和電鉄の「杉本町」駅をモデルにしているそうです。今では新幹線がありますが、この当時は鈍行しかなかったはずなので…、早くても3時間半から4時間はかかりそう(もっとかも 汗)。安子はかなりの長時間汽車に揺られたことになります。それでも、やっぱり会いたかったんだよね、最後に…。

なんとか下宿先に辿り着くと、大家のくまさんがやって来て「ま~た鈴木君の女友達かいなぁ」とため息をつかれてしまうw。くまさんを演じてるのは、関西では有名な若井みどりさん。NHK土曜日の「生活笑百科」にもセミレギュラーで出演されてるので知っている方も多いかもしれません。

くまさん、よっぽど鈴木君の女遍歴にはうんざりしているようでしたが、よくもまぁ、あれだけの武勇伝を知っていらっしゃる(笑)。っていうか、鈴木君、今回1度も登場してないんですけどww。そんなにモテモテな鈴木君っていったい何者なのさ!??と気になってしまうではないの(笑)。松村北斗君よりイケメンの子なんて、そう多くないんじゃないかと思うから気になってしまうww。

勝手に勘違いされた安子は自分の素性を話す暇を与えられずその場でオロオロ立ち尽くすしかありませんでしたが、そのタイミングでちょうど稔が大学から戻って来た。あんなベストタイミングってあるかいなww!!ヒーローすぎるだろう、稔くん(笑)。

ようやく安子が”鈴木君の新しい女”ではないことを悟ったくまさんでしたが、今度は稔に女友達がいたことの驚きについて延々とトークが始まってしまいますww。
稔は勉強ばかりで全く女性の影がなく心配していた、とのことでしたが…、おそらくくまさんの知らない場所では女性の注目の的になってたと思いますぜ!?あんな綺麗なイケメンさん、当時の女性も放っておかないでしょう(笑)。ただ稔が真面目でそんな女性に興味がなかっただけなんじゃないかなとw。

突然大阪までやって来た安子に驚いた稔。事情を聴かれた安子は、とっさに「あかにしの清子さんの親戚が大阪で結婚したので、そのお祝いの紅白まんじゅうを配達しに来たついでに寄っただけ」と嘘をついてしまう。この時点では稔の気持ちも分からないし、そう言うしかなかったよね…。

その話に納得した稔は、安子の帰りの汽車まで時間があると知ると彼女を映画に誘い出しました。以前約束しながらも稔は父の付き添いで忙しくついに安子と会うことができませんでしたからね。彼はずっとそのことが引っ掛かっていたのかもしれません。

桃山剣之介こと「ももけん」の映画を見て楽しい時間を過ごす二人。安子は映画よりも隣に座っている稔のことのほうが気になっていた様子でしたね(笑)。
それにしても、映画スター役に尾上菊之助さんを起用するとはなんと贅沢な!!殺陣の美しさは白黒の劇中劇でもめちゃめちゃ映えてましたし、さすがです。今後「ももけん」さんが映画以外で登場することってあるのだろうか!?

映画を見終わった二人は稔が行きつけにしている食堂でラーメンをすする。このシーンを見たときに朝ドラ『まんぷく』を思い出してしまった。萬平さんが作ったラーメンはまだこの時は世に出てないよなぁ。
裏話によると、この場面では『まんぷく』で福子と萬平が初めて食べたラーメンと同じものを出していたのだそう!同じBK制作ですものね。なんだか細かいところで絆が繋がっているのが嬉しいです。

稔は安子を男子学生ばかりのむさくるしい場所に連れてきてしまったことを少し気にしているようでしたが、安子は「稔さんが普段行きよる店がいいんです」と満面の笑顔を見せる。安子にとっては、稔の生活圏に自分が入れたことが何よりも嬉しかったと思います。大好きな人と一緒ならば、どんな場所でも夢の世界のようにキラキラして見えたに違いない。あぁ、恋っていいなって思っちゃった。

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食事を終えた二人は、普段稔が大学へ通う川沿いの道を歩いていく。そこに流れているのは、大和川。岡山の旭川に似ていて落ち着くと彼が書いてきたその場所だった。楽しかった時間はあっという間に過ぎ去り、気が付けばもう太陽が西に傾いている…。
手紙で呼んだ通り、大和川からは潮の香りが漂ってきました。稔と同じ景色を観れたことに感動した安子は、ラジオで学んだ英語でその想いを語る。

「It smells like the ocean」(潮の香りがします)

安子の英語を聞いて驚いた稔は、彼女があれから毎日ラジオを聞いて勉強していることに感心する。それと同時に、彼女への愛しさみたいなものがこみ上げてきたようにも見えたかも…。

安子は稔と一緒にいる時間が嬉しすぎて外の寒さも気が付いていない様子。大好きな人と一緒にいてテンションが上がると、確かにそのこと以外には鈍感になりがちですよねw。すると、安子の体を気遣った稔がスッと自分が着ていたコートを脱いでその肩にかけてやる。なんたるジェントルメン!!!あんなことしてくれたら、安子の気持ちさらに盛り上がってしまうでないの!

何とも言えない気持ちがこみ上げて仕方ない様子の安子は言葉がなかなか出てこない。そんな彼女に稔は優しく今見ている情景を英語で語り始めました。

「Sunset…. A beautiful sunset. Do you see that beautiful sunset?」(なんて美しい夕日だろう!あの美しい夕日が見えますか?)

安子も、英語でその想いに応える。

「Yes, I do. I see a beautiful sunset over the river」(はい、川の向こうに美しい夕日が見えます)

第1週目の「May I write a letter to you?」のシーンの時にも思ったけど、安子と稔の英会話を聴いていると、まるでお互いの気持ちを告白し合っているかのような温かみを感じるんですよね。今回交わされた英会話も他愛のない素朴な言葉だったけれど、二人の気持ちがさらに近づいていくのを感じてなんだかジーンと来てしまいました…。このあたりの描写がやはり藤本脚本、素晴らしいと思います。

二人が眺めた大和川の美しい夕日の光景は、3回目のトライで初めて撮影できたそうで色加工しないで放送されたそうです(景色の修正とかはあると思いますが)。まさに奇跡の瞬間だったんですね。どこのロケ地だったのか気になります。関西の方かな?

安子は夕日を眺めながらおそらく何度も時間が止まってほしいと思ったはず。目の前に広がる情景はとても美しいけれど、それは同時に安子にとって楽しくて愛しい稔との大切な時間が終わりに近づいていることも意味しているわけで…、なんだかとても切ない場面に見えてしまいました。
そして稔も、そんな彼女の隣に立って何かを感じ取っているようにも思えたかも。以心伝心…みたいな。

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そして別れの時間。稔は駅まで送ってくれましたが、安子は最後まで大阪まで来た本当の理由を語ることはできませんでした。「それじゃあ、またね」と告げられ、想いを押し殺して彼の前から立ち去る安子が切ない…。

稔から貸してもらったコートを羽織りながら汽車に乗りこんだ安子でしたが、駅を離れたとたんに感情があふれ出しホロホロと涙が頬を濡らしていく…(涙)。萌音ちゃんのこの時の自然な涙にめちゃめちゃ心打たれて私も思わず涙してしまった(泣)。

安子は店のために見合い話を受ける覚悟を決めたうえで大阪まで向かったのでしょう。見合いをする前に、最後にもう一度だけ稔に会いたい、その一念だったと思います。連絡もなしに突発的に向かったので会える保証はなかった。それでも、大好きな人のいる場所へ行きたかった安子。
そんな彼女を天は見放さなかったんだろうなぁ。ちゃんと会うことができたうえに、思いがけずデートの時間まで過ごすことができた。

だけど、稔と過ごす時間が楽しくて愛しくてたまらないほど、別れたくないという気持ちもどんどん膨れ上がってしまった。これが最後と覚悟して出てきたものの、稔が好きだという気持ちはますます大きく育ってしまって、別れなければいけない現実が辛くて悲しくて仕方がない。そんな涙だったのではないだろうか…。

と、感傷に浸ってみていたらこのタイミングでOPが入ってきてビックリ!いやぁ、これは反則技でしょう~~。AIさんの歌う♪アルデバラン♪は普通に聴いても泣けるのに、このタイミングで入ったらもう、ますますドラマと重ねてみてしまって泣いてしまうでないのーーー(涙)。

そしてOPが終わった後、さらに驚きの展開が待っていた。

岡山駅に到着してもなかなか立ち上がれなかった安子。稔への想いが募りすぎて汽車の中でも相当泣いてぐったり疲れてしまったのでしょう。それでも、もう断ち切らなければいけない時が来てしまった。何とか力を振り絞って立ち上がったその時、安子の目の前に一人の男性が現れる。

「そんな小さなカバンひとつで、配達もないじゃろう。なんで泣いてるん?」

そこに立っていたのはなんと、大阪で別れたはずの稔だった!!あまりの衝撃で固まってしまう安子でしたが、見ている視聴者としてもビックリな展開です。彼は安子について何か感じ取っているのかもとは思っていましたが、やっぱり配達は嘘だと見破っていたんだね…。そのうえで、何も言わずに彼女と一緒に時間を過ごしてくれた。
でも、やっぱり別れた後も少し様子がおかしい彼女が心配になってこっそり同じ汽車に乗り込んでいたなんて…!どのあたりに座っていたのだろうか。安子は涙に暮れていたからきっと近くにいたとしても気づかなかっただろうなぁ。

ちなみにガイドブックでは、稔は次の急行がきてそれに乗って追いついた、みたいに書いてあったのでドラマで同じ汽車に乗っていたことになってて驚きましたw。

「何があったん?」と安子に優しく問いかける稔ですが、彼女が泣いてる理由は彼自身についてのことだというのはまだ気づいていない。優しくされればされるほど稔を諦められなくなってしまうであろう安子。ホント、罪な展開だよ~w。

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