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『西郷どん』第38回感想 傷だらけの維新

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地上波では1週遅れての放送だった為に第38回がずれた形となりましたが、結果的には本放送枠でスペシャル番組(またの名をテコ入れ番組w)を入れずに済んだのでよかったのかなぁと思います。やっぱり、ああいった補足番組は違う時間帯でやらないとね。

江戸の無血開城を果たしたまではよかったんだけど、新政府に不満を持つ者たちが上野に集まって挙兵するという事件が勃発。彰義隊の乱です。
上から目線で嫌味な雰囲気の大村益次郎の作戦指揮によって上野戦争は何とか半日で決着をつけることができましたが…、戦の前線に立っていた吉之助は、目の前で将来を担うはずの若者たちが敵味方共に次々と倒れていく姿を目の当たりにして心が苦しくなっていました。表向きでは「引くな!!」と味方を鼓舞していましたが、気持ち的にはもう戦は止めにしたいっていう想いでいっぱいだっただろうね…。

戦を始めた頃はイケイケモードだったけど、勝との会談で目が覚めた今は戦の虚しさにやるせない気持ちを抱いてしまった吉之助。だけど、そもそもこの戦を率先して拡大させていったのが彼本人でしたから・・・ちょっと、自業自得っていう気持ちはありますかね、やっぱり。
気付いたときには取り返しのつかない事態になってしまってたという、なんとも後味の悪いものになってしまいました。

大河ドラマ『西郷どん』感想一覧

第38回 傷だらけの維新

2018年10月14日放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45

鈴木亮平・瑛太・堀井新太・錦戸亮・渡部豪太・桜庭ななみ・青木崇高・林家正蔵・石橋蓮司 ほか

あらすじ

上野の彰義隊は一日で討伐されたものの、会津ほか東北各地の諸藩が新政府軍に抵抗を試みていた。吉之助(鈴木亮平)は援軍を送り込むため、急ぎ薩摩に戻る。吉之助が次々と援兵を送る中、これまで西郷家を守ってきた弟の吉二郎(渡部豪太)が自分も戦に行きたいと申し出る。その後、吉之助が兵をまとめ、越後に到着すると、先に戦に参加していた吉二郎が銃弾に倒れたという知らせが入る。

公式HPより引用

彰義隊が殲滅してもなお、東北や北越諸藩は新政府に対する抵抗を続けていました。特に会津は松平容保さんがいますからね!新政府への恨みはかなり溜まってるはずだと思いますよ。柏原くんの容保カッコよかったからまた登場してほしかったんだけどねぇ…、残念!

さすがの新政府も、兵だけでなく金や武器など戦に必要なものが不足してきてしまった様子。「このままじゃ十中八九、負けます」って大村さん言ってたけど…なんかどこか他人行儀なところがムカつくわ~(苦笑)。
結局、その補填として薩摩が動くしかなくなってしまいました。

援軍の要請をするために一度薩摩に帰国した吉之助。久しぶりに西郷家に戻り、安らぎのひとときを得ることができました。
それにしても小兵衛くん、信吾の大怪我のことを我がことのようにすり替えて報告するのはいかんよ。信吾はあれで本当に死の淵まで行ってたんだからさ~。まぁ、家族のみんなは吉之助からの手紙でそのことを知ってたから良いんだけどねw。
その名誉の負傷をした信吾は、これまでの戦を体験してその惨さを身を以て悟ったようでした。

吉之助たちが留守の間、西郷家には、世間に名をとどろかせた吉之助の実家ということで、「古い親戚」やら「古い友人」とやらが金の無心に押し寄せていたらしい。あ~~、有名になったら急に知らない親戚が増えるっていうパターンのやつか。そういうのは今も昔も変わらないんだな(苦笑)。
しかし、吉二郎は「西郷吉之助の名前に傷をつけないため」という想いから、できる限りの援助をしてやっていたと…。吉二郎…ホントに兄想いの優しい弟だよ。吉之助は吉二郎の心配りに心から礼を言いますが、吉二郎の表情はどこか暗い。「西郷家の城を守る」ということに徹してきていたけれど、それとは別の感情が彼の中で大きくなっていたのかもしれない。その表情の微妙な変化に気が付いていたのが信吾でした…。

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その後城を訪れた吉之助は、久光と茂久に薩摩から戦の援助を出してほしいと願い出ます。最初は「ほんのこて、こん薩摩のためになっとか!?」と疑心暗鬼だった久光でしたが、「薩摩の忠義を天下に必ず示せる!」と言う吉之助の言葉に結局折れた形となりました。国父様、ずいぶんと吉之助に甘くなったなww。


そういえば、久光さんが可愛がっていた「亀光」くんも元気に育っていました。

が、その後のシーンでよくよく見てみると・・・


もう2匹、増えてた!!!亀光の嫁と子供かww!??

同じころ、別の用事で城を訪れていた吉二郎は、吉之助が藩士たちに向かってこれから先の戦について檄を飛ばしている現場を目撃してしまいます。
ギラギラした目で若者たちが戦への気合を入れているのを遠くから目の当たりにした吉二郎は、自分だけが戦に行かれないもどかしさで思わずその場から動けなくなってしまう・・・。吉二郎だって、薩摩隼人の血が流れてるからね…。それなのに家に縛られて戦場で働くことが出来ないことに忸怩たる思いを抱いてしまうのは、ごく自然な感情だったと思います。立ち尽くして吉之助たちの方向を見入ってしまった吉二郎の姿が切なくて思わずウルっときました…。

そんな兄の様子に気が付いたのは、またしても信吾。たぶん彼は吉二郎の心の声が聞こえていたんだろうね…。

その翌朝早く、吉二郎は木刀を手にしていて…。おそらく戦場へ向かうための素振りでもするつもりだったんだろうか。でも、この行動も信吾には読まれていました。吉二郎が戦働きをしたいという気持ちを募らせていることを誰よりも強く感じていた信吾は何とかそれを思いとどまらせようと実力の差を見せつけますが、「お前においの気持ちはわからん!!」と理解してもらえない。
兄の気持ちが思った以上に昂ぶっていたことを知った信吾は、戦場で受けた生々しい傷跡をみせながら今まで誰にも打ち明けていなかった秘密を話す。

信吾は戦場で首に大怪我を負っただけではなく、片耳も失聴してしまっていたのです…。

片耳失聴・・・どこかの朝ドラで聞いたことのあるエピソードだな(苦笑)。だけど、信吾の方がよほど深刻に感じるよ。

戦場の残酷さを知ってもらいたいがための信吾の辛い告白は、ようやく吉二郎の胸に響いたように見えました。おそらく吉二郎は、その話を聞いて自分の思い描いていた戦というのが甘かったことを悟ったんじゃないかな…。

そんなある日、西郷家に琴が訪れてきましたが…なにやらえらい機嫌が悪そうで。吉之助に対して「兄さぁ、ちょっとここへ座ってくいやんせ」と言う時の冷たい声色がめっちゃ怖かった(汗)。桜庭さん、セリフ回しにもえらい貫禄つきましたねぇ~~。

何やら嫌な予感がしつつも琴の話を聞くためにそばに座った吉之助。
すると、「もう少し家の者のことも考えろ!」と強い口調で吉之助を叱責。今や吉之助は薩摩のヒーロー的存在になってましたし、国のために大きな働きをしていることを皆知っていたから何も言わずに耐えてきたっていうのは家族の中の気持ちとしてあったよね。それをズバリ指摘してくる琴は強い。嫁に出て市来の家に入っているからこそ言えたのかもしれない。

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そのなかで、彼女が一番気にしていたのが、吉二郎のことでした。これまでずっと家の為だけに頑張ってきた彼のことを、琴は心配していたんだろうな…。一番報われていないのは、たしかに吉二郎なのかもしれない。
吉之助も改めてそのことに気付かされ反省したようで、吉二郎の願いをかなえてやろうと声を掛けます。

その言葉に背中を押された吉二郎は、ついに心にずっと秘めてきた想いを兄にぶつける。


「おいも、戦働きがしたか!!」

信吾以外の西郷家の面々は、まさかそんな言葉が吉二郎から飛び出すなど思いもしなかった故に思わず息を呑んで黙り込んでしまいます。一番衝撃を受けたのは、琴だっただろうな…。吉二郎に何か報いをとお節介に出たことが、逆に裏目に出てしまったように感じたのではないだろうか。

信吾は必死に吉二郎の戦への想いを諦めさせようとしますが、「足手まといになるかもしれないけど、一生に一度でいいから侍らしく生きてみたい」と想いを吐露します。
自分も薩摩隼人として一度でいいから形に残る働きをしてみたいという吉二郎の切なる気持ち・・・なんか、分かってしまうよなぁ・・・。弟たちは吉之助の元で日本を変えるための戦で力を発揮しているのに、自分はずっと西郷家という小さな世界の中でしか生きられていない。信吾のエピソードに一度は衝撃を受けたけど、例えそこが悲惨な場所であったとしても、薩摩隼人として外の世界で働きたいという強い気持ちはどうしても消し去ることができなかったんだと思う。

ずっと、自分だけが不公平な世界にいるって・・・心のどこかで思い続けてたんだろうなと思うと、なんだかすごく切なくなった

西郷家のみんなが押し黙るなか、吉二郎の妻の園は「戦には行ってほしくないけど、初めて自分のやりたいことを口にした吉二郎の願いを聞き届けてほしい」と頭を下げます。
ずっとそばに寄り添っていた園は、もしかしたら吉二郎がずっと自分の気持ちを押し殺していたことを勘づいていたのかもしれないね…。だからこそ、やりたいことを初めて口にした夫の願いがどんなに危険なことであったとしても、かなえてあげたいという気持ちになったんじゃないだろうか。だとしても、命の保証はないわけで・・・すごく複雑で苦しい心境だよね

必死に頭を下げる吉二郎夫婦に、吉之助は「この戦はお前が想像しているような侍の戦ではなく、大勢の命を奪う西洋の武器が飛び交う場だ」と忠告する。吉二郎が生きて帰れる保証はどこにもない現場なんですよね、本当に。だから、兄としては・・・そんなところへ弟を送りたくない気持ちが強い。
それでも、吉二郎の「戦働きがしたい」という積年の想いは揺らぐことがありませんでした。涙を浮かべながら「覚悟はできている」と強い視線で訴えてくる吉二郎に、吉之助をはじめ、もう誰も反対することはできませんでした。

「共に参れ」

ああ…吉二郎!!どんなにか兄からのその言葉を待ちわびていただろうね思わず涙を流して感謝の言葉を口にした吉二郎みたら、なんか泣けてきちゃったよ
だけど、許可はしたものの吉之助の心中も複雑だったと思うよ…。厳しい戦場だって知っていたからなおさらね…。それでも涙を流しながら薩摩隼人として戦いの場へ行けることを喜んだ吉二郎の姿を見たら、許可したことはよかったのかもとも思ってたかもしれない。

数日後、吉二郎は信吾や小兵衛たちと共に吉之助より一足先に越後へと旅立って行きました。


「行ってくっで!!」

良い顔してたよ、吉二郎・・・!!よかったねって…やっぱり思っちゃう。生きて、生きて帰ってきてほしいって心から思ったよ・・・(涙)。

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その数日後、吉之助の元に越後の戦について新八が緊迫した様子で報告に訪れる。

長岡藩の河合継之助が購入した”ガトリング砲”が威力を発揮し、新政府軍は劣勢に立たされているらしい。

河合継之助は財政が傾いていた長岡藩を大幅に改革して立て直しに貢献した人物として知られています。でもその名前が一番知られている出来事としては、戊辰戦争の時にガトリング砲を購入したというエピソードでしょうか。
北越戦争の折には継之助自身もガトリング砲を操り新政府に応戦したそうですが、結局長岡城は落城に追い込まれ…その後の城奪還作戦の折に被弾した怪我が原因で会津に逃れた後に若くして亡くなってしまいました。

長岡には河合継之助の資料などを展示している記念館があるようす。

吉之助は「ここは吉之助の存在感でみんなを鼓舞してほしい!」という新八の要請もあり急ぎ越後へ向かうことになりました。

越後に到着した後も、吉之助の援軍を乞う声は後を絶たず。その要請は抵抗を続ける東北のほうからも噴出していて・・・ここはもう、吉之助が何人いても足りないみたいな状況に(汗)。

でもなぁ・・・「二本松」って言葉を聞くと・・・『八重の桜』の時の悲惨な少年兵たちのエピソードを思い出してしまって辛いんだよなぁ※第24回のエピソードになります。

その軍議の最中、信吾が血相を変えて飛び込んできました…。

「吉二郎兄さぁが、撃たれた…!!」

あああああーーーーー、吉二郎がついに・・・・・(涙)。

しかし、一刻も早く吉二郎の元へ駆けつけてほしいと懇願する信吾や新八の言葉にも、吉之助は「兵の命は皆同じじゃ!」と言い放ってそのまま軍議を続ける選択をします…。本心ではすぐにでも吉二郎の側に駆けつけたかっただろうけど、指揮官の立場上、自分の家族だけを優先するような行動をすることは吉之助には出来なかったようです…。

だけど、痛みにもがき苦しむ吉二郎の姿を見たら…もう辛くてねぇ…。なんとか駆けつけられなかったものかとどうしても思ってしまったよ。

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その後、北越戦争は双方ともおびただしい数の犠牲者を出した末に新政府軍の勝利で決着がつきました・・・。激しく、悲惨な戦だったんだな・・・。

戦の終結を確認した後、吉之助は負傷兵たちが運び込まれていた柏崎の陣に見舞いに訪れます。うめき声をあげている負傷者たちに労いの言葉をかけて回っていた吉之助が最後にたどり着いた場所には・・・瀕死の弟・吉二郎の姿が・・・。

吉之助の姿を微かに確認した吉二郎は、最後の力を振り絞りながら「侍働きができて幸せだった」と感謝の言葉を述べる…。
吉二郎はおそらく、こういう結果になることもすべて覚悟の上で戦場に行ったんだと思う。それは想像以上に凄惨な現場だったかもしれないけれど、自分も兄のために、国のために戦ってる…役に立ててるんだっていう喜びの実感のほうが勝ってたんだろうね。だから、戦に同行することを許してくれた吉之助に最後にどうしても礼が言いたかった…吉二郎は幸せだったんだって思った…。

そして、死を間際にした吉二郎は一番伝えたかった言葉を吉之助に告げます…。


「兄さぁ・・・体を大事に、してくいやい・・・。どうか、体だけは・・・」

最後の最後に伝えたかった言葉が、兄の健康のことだったなんて・・・(涙)。本当に、吉之助のことを、兄のことを、ものすごく尊敬していて、そして、愛していたんだね・・・

兄弟たちに見守られながら静かに息を引き取った吉二郎。でも、その顔はどこか穏やかで幸せそうにも見えました。きっと、悔いはなかったんだと思う・・・。だけど、すごく哀しかったよ久しぶりに号泣してしまった(涙)。
物言わぬ弟を抱きしめる吉之助でしたが、涙にくれる弟たちとは違い、ただ茫然とした感情だけが張り付いていたような様子でした。この時はまだ受け止めきれていなかったのかもしれない。

実際の吉二郎は最期の瞬間に吉之助と会うことは叶わなかったそうです。せめてドラマの中では吉之助の腕の中で逝くことができて・・・よかったのかもしれないな・・・。だけど悲しい・・・。

また、本編では触れられていませんでしたが・・・北越戦争には妹の琴の長男も参戦し命を落としているのだそう…。西郷の身内にも大きな悲劇をもたらした戦だったのですね・・・。

ちなみに、北越戦争には今後ドラマに登場してくる山縣有朋も参戦してたらしいのですが、長岡藩に翻弄されっぱなしで大変な目に遭ってたようです(汗)。

この後の戊辰戦争の顛末についてのドラマは、今回の大河ドラマでは割愛。斬新といえば斬新w。

最近の大河ドラマで戊辰戦争に多くの時間を割いていたのは『八重の桜』だったと思うので、あとはそちらを参考にということでしょうか。だけどあのドラマでの戊辰戦争は、薩長は完全に『憎き敵』扱いですから(汗)『西郷どん』の補完にはならない気がします(苦笑)。

『八重の桜』では『西郷どん』にも出てくる大山格之助(八重~では村上新悟さんが演じてました)が登場しています。大山は奥羽鎮撫総督府の参謀という役目を担っていましたが、事実上は会津討伐を推進していく立場でもありました。

だけど、あのドラマの中での大山は影が薄くて・・・っていうのも、一緒にいた世良修蔵が恐ろしすぎてそっちばっかりが気になって仕方なかったんだよなww。あれはインパクト強すぎたw。『西郷どん』では北村さんの格之助が奥羽鎮撫隊でどんな存在感で描かれるか…なんてちょっと期待してたんですけど、やっぱりスルーされてしまったのが残念。

でも、『西郷どん』はあくまでも西郷とその周囲の人々の物語に重点を置いているところが強いので、無理に戊辰戦争を長く描く必要はないかなとも思います。そこは割り切らないと。それに、このあとまだ、西南戦争描かないといけませんから…。こちらは少し多く時間を割いてほしいところです。

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時代は「明治」となり、江戸城も『東京城』という名前に改められました。そこには京を離れた明治天皇が新たにお入りになることに。

東京城では、久し振りに吉之助と一蔵が顔を合わせています。吉之助は戦の最前線に立っていましたが、一蔵はどちらかというと内政のほうに尽力した感じですかね。明治天皇を東京へお移ししたのも一蔵の功績あってこそのようですし。

最初はお互いの労をねぎらいとても穏やかな会話が続いていましたが、吉之助の「頼み」の話で状況は一変してしまう。

「おいは薩摩に帰らせてもらいたか・・・」

一蔵はその言葉の意味を理解するまでに時間がかかるくらい動揺。これから一緒に新しい国づくりをしていこうと話そうとしていただけに、その出鼻をポッキリ折られてしまった形になったわけですから・・・まさに「わが耳を疑う」っていう状況だったと思うよ。
でも、「もう、おいの役目は終わった」と吉之助の薩摩帰郷への決意は固い。一蔵のほかにも桂や岩倉もいるから、その先の国造りは心配していない・・・とどこか他人事のように語る吉之助…。

この言葉に「そりゃないぜ!!」とばかりに激しく反論する一蔵でしたが・・・その気持ちはよく分かるよ。そもそも、新しい国造りのために幕府を倒すべく戦を始めた張本人は吉之助でしたからね。その言いだしっぺが「あとのことは任せた」って先に退場してしまうのは、正直、無責任な行動としか受け取られなくても仕方ない。

だけど、多くの戦場で倒れていく兵士たちを目の当たりにしてきた吉之助は、その原因を作ってしまったことにずっと苦しんできました。ヒー様を追いつめることばかりに躍起になっていた頃は戦を拡大させることしか頭になかったけど、天璋院や勝と対面して、無血開城を成し遂げた後に我に返った時・・・「自分はなんて大きな罪を犯してしまったんだろう」という罪悪感に襲われてしまったのではないだろうか。
その一番大きな要因は、きっと、大切な弟の吉二郎を死なせてしまったことじゃないのかな…。

戦の最前線に居た立場の吉之助と、戦を支える内政に力を入れてきた一蔵とでは、考え方がすれ違ってしまうのは…致し方がないことだったと思います。同じ立場に立たなければ、お互いの気持ちは理解できないだろうね。

「世界に負けん、立派な日本国を作ってくいやい」

そう言い残し、あるものを一蔵に託して吉之助は静かにその場を後にしてしまいました…。

そのあるものとは・・・


少年時代に島津斉彬から渡された「Cangoxina」の文字が書かれたカステラの包み紙

吉之助はずっと大切に懐に持っていたんだな。新しい国作りへと邁進するための支えになっていたのかもしれない。
つまりは、自分の想いを一蔵に引き継いでほしいという意思表示だったわけだろうけど…一蔵にとってはこんなひどい裏切りの話はないよね。振り回されて、影響されて、ずっと吉之助の背中を信じてついていってたわけですから…こんな丸投げみたいなことされたら、笑うしかないでしょう。

最初は脱力感のある笑い声だったのが、徐々に黒い感情がこもったかのように思える笑い声に変わっていくという・・・瑛太くんのあの芝居はちょっとゾクゾクさせられるものがありました。様々な感情がごっちゃになってしまった一蔵の混乱がすごく伝わってきた。

この後の二人の関係に響いてくるような、刺激的なシーンでもありました。

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西郷家に戻った吉之助は、吉二郎の死を静かに伝えます。元気な姿で再び会えると信じていた妻の園や家族たちはあまりに悲しい結末に言葉を失ってしまう・・・。吉二郎の遺髪を抱きしめながら「おやっとさぁでございもした…」と呟き泣き崩れる園が哀しい…。

西郷家が悲しみに沈むなか、糸は床下にしまってあったあるものを吉之助に見せます。それは、吉二郎が書きためてきた帳簿


コツコツと貯金してきた多くの銭だった・・・。

吉二郎は、兄が思う存分良い働きができるようにと、そのことを他の家族に口止めしながら地道に蓄えてきたんだね。いざという時、吉之助の助けになるようにって…貧しい家計をやりくりしながらこっそりお金を貯めていたなんて…もう、堪らないよ、吉二郎・・・・・・(涙)。

その話を聞いた吉之助はこらえ切れない感情が沸き起こり一人隣の部屋へ…。
コツコツと吉二郎がつけていた帳簿を愛しそうになぞりながら、弟を失った哀しみを抑えきれなくなった吉之助は、この日、初めて声を上げて泣きました・・・。

兄同然だと慕った、愛してやまない弟・吉二郎の死を、一人になって初めて受け止め慟哭した吉之助・・・。この場面はもう、本当に・・・涙なくしては見れなかったよ。

糸は吉之助の感情を開放させるため、吉二郎が口止めしていた帳簿や貯金のことを話したんだろうね…。それも内助の功ってやつかな。

悲しみを自分の中に受け入れた夜、吉之助は自らの手で髷を切り落としました。侍の身分を捨てることで、吉二郎の魂を弔いたかったのかもしれない。

二人の絆は永遠だよ!!
渡部豪太さん、素敵な吉二郎役をありがとうございました。

ここで『西郷どん』第三章の”革命篇”は完結ということです。

次回からは最終章の”明治編”が始まるわけですが・・・予告に、ナレーションを担当してきた西田敏行さんの姿が!!!なんと、西田さんは吉之助が大島に残してきた愛加那の息子・菊次郎として登場してくるのだそうです。つまり、これまでのドラマは、菊次郎の目線で語られていたという解釈になるのか。

新しい人物も続々と登場するようですし(ビックリなあの方も!)、今後の展開にも期待したいと思います。

今週の鈴木亮平くんのブログ

このブログの中で、亮平くんが再び「第一話」ラストの件について言及しています。それを踏まえたうえでもう一度見返してみると、さらに泣けて仕方ない…

🎀「西郷どん」ブルーレイ第三弾(24~35話まで)

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