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大河ドラマ『麒麟がくる』を振り返る -新幕府編-

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第34回 焼き討ちの代償

浅井・朝倉連合軍の背後に構える比叡山こそ諸悪の根源と断言した信長はついに撃って出ることになりますが、そのやり口は女子供も容赦なしという残虐極まりない戦い方でした。光秀は戦いの最中、そのやり方に耐えきれずに女・子供を逃がすよう命じてしまいます。
印象的だったのは、戦いに勝利して上機嫌の信長の前でそのことを正直に報告してしまったシーンです。案の定信長の顔色がスッっと変わってしまって見ていてほんとハラハラしました(汗)。光秀…あまりにも真っ正直すぎて逆に危なっかしいよ!

しかし信長は、この時は光秀を赦します。「次は皆殺してしまえ」と冷たく言い放ちながらも、次の瞬間には「こたびの一番手柄はそなたであることに変わりはない」と屈託のない笑顔を浮かべて領地の約束までしている。この光秀に対する屈折した想いみたいなものがとても危うくてゾクっとしたシーンでもありました。

光秀は残虐な焼き討ちに関わってしまったことに大いに苦悩してしまいます。自分の娘にまで害が及んでしまいましたからね…。このあたりから徐々に信長に対する彼の思い入れ方が変わってきたのかもしれません。その胸の内を松永久秀に告白する光秀のシーンは特に印象的でした。

そんな光秀に「信長を動かしここまで持ってきたのはお主ではないか」と指摘します。この言葉は最後まで彼の心に重くのしかかっていたような気がします。それでも松永は光秀のために順慶と争うのをやめてもいいと言ってくれる。彼もまた光秀に魅せられた一人ですからね。この二人の会話シーンはいつもワクワクして好きだったなぁ。

そしてこの回最大のインパクトは、石橋凌さん演じる武田信玄の風貌でしょうw!!

あまりにも肖像画の信玄と寄せたメイクでビックリしました(笑)。しかもあの迫力!まるで生き写しのようでしたねぇ。

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第35回 義昭、まよいの中で

信長は朝廷とのパイプを重要視して幕府をスルーする傾向が強くなっていたため、将軍としてのプライドを傷つけられた義昭は苛立ちと不満を大いに募らせてしまいます。「そなたの手、離さぬぞ!」と信長にラブコールを送っていた義昭さんが嘘のようです(苦笑)。

幕府内の信長に対する不満は自然と光秀にも向いてしまい、摂津は茶会に紛れて光秀を抹殺してしまおうという計画を立ててしまいます。それを知りながら「そうか」と言うことしかできない義昭の無力さが情けなかったですよねぇ(苦笑)。義昭としては光秀を信長から引き離して自分だけの手元に置きたい気持ちもあっただろうに、摂津ら古い組織の操り人形となって何もできなくなってしまっていた。

しかしながら、これまでも足利義昭は貧弱なキャラとして描かれることが多かったですが、今回は力を失っていく過程についてのドラマがきちんとあったので、これまでとは違った感覚で義昭を見れたような気がします。

それにしても、ハセヒロ光秀の立ち回りシーンはめちゃめちゃカッコよくて痺れましたなぁ!

光秀にとってはまさに”とんだ災難”でしかない出来事だったわけですが(汗)、障子からの槍をかわす身軽さとか最高でしたし、槍で足を突かれた後も鬼気迫る表情で義昭の元へ突進していく姿は実に勇ましくカッコよかったです!

決死の突進で義昭の元へたどり着いた光秀は「古き者たちを一掃する絶好のチャンスだ」と迫ります。「その先はどうするのか!?信長の勝手気ままに付き合うのは御免だ!」とものすごい形相で迫られた光秀は「もしも信長が道を外すようなことになれば自分が身を挺してそれを正す」と約束。
義昭の中ではすっかり信長は「敵」の存在に。ついには「会った時から敵だと思っていた」と言い出す始末で(汗)…「最初はあんなに信長にラブコールを送ってたじゃないか~!」とツッコミを入れてしまったよww。

それにしてもこのシーンの時の滝藤さんとハセヒロさんの鬼気迫る熱演が本当に凄すぎて…、息をするのも苦しいほどでしたね。トーク番組で滝藤さんが「長谷川君の熱量に影響された芝居をした」って語っていたけど、本当にまさにそんな感じ。演技派二人のぶつかり合いを大河ドラマで見れる贅沢を噛みしめた場面でもありました。

ということで、摂津晴門はあっさりと企てが露見してお役御免にw。

鶴太郎さんの怪演、面白かったです!

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第36回 訣別

冒頭で光秀は信長が崇めまくってる帝とついに言葉を交わします。自らの想いを告げることができた光秀が心の興奮を抑えきれないような表情をしていたのがとても印象的でした。あの時きっと彼は、信長と同じような心境になっていたのでは。

その後光秀は剣術の稽古をしていた義昭に誘われるまま相手をすることになりますが、忖度しない光秀は軽く義昭の木刀を交わしあしらってしまう。

でも、このやり取りの中でお互いに心のすれ違いを自覚せざるを得なくなっていたのではないかなぁとも思えて切なくなってしまった。

そんな折、光秀は完成したばかりの坂本城に妻の煕子と共に訪れました。

坂本城からの美しい眺めを見つめながら、改めて夫婦の絆を確かめ合う二人の姿がとても穏やかで温かく、なんだかジーンと来たなぁ。光秀にとって家族は唯一の心の拠り所でもあるのだと実感させられた場面でもありました。煕子も常に光秀の心に寄り添おうとしていて本当に素敵な奥さんでしたね。

一方信長は、さすがに義昭のことをないがしろにしすぎたと反省した様子。とりあえず”クグイ(白鳥)”を送って機嫌を直してもらおうと目論んでいたようでしたが、義昭は「もはやこれを受け取ることはできぬ」と断固拒否してしまいます。信長さん、それに気づくのがあまりにも遅すぎるって(汗)とツッコみましたよね、これは。いまさら感ハンパないし(苦笑)。クグイさんも気の毒に…立つ瀬がありませんわ、あれじゃ。

義昭は信玄と手を組んで信長打倒の兵を挙げる決意を固めてしまっていました。ちょうど信長から義昭に対するクドクドした意見書が届いてしまっていたという最悪のタイミングということもあって、もう「信長憎し」の感情はどうにも止められません。

義昭と藤英は光秀に信長と手を切って共に戦う選択をするように迫りますが、光秀にはどうしてもそれができませんでした…。涙を必死にこらえながら「今一度御考え直しを!!」と訴える光秀に対し、義昭も涙を浮かべながら「決めたのじゃ…」と告げる。この時の二人の心情を想うと本当に切なくてたまらなくて思わずもらい泣きしてしまいましたよ…(涙)。

「どちらに心惹かれているのですか?」と煕子に尋ねられた時、光秀は「どちらも大事」と答えましたが、この瞬間に自分の想いは「信長」に傾いていることを自覚せざるを得なかったでしょうね…。そんな自分が光秀はとても苦しく、哀しかったと思います。
そして義昭自身も、光秀は自分の元から離れていくだろうということを予感していたんじゃないかなと。それを止めることができないことも分かっていたと思う…ゆえに、その心境を想うとホントに切なかった。まるで失恋したような気持だったんじゃなかろうか。

号泣しながら義昭のもとを去る十兵衛の姿に見ているこちらも涙が止まりませんでした(泣)。光秀にとって、それほど「将軍」という存在は大きかったんだと思います。将軍・義昭となら「麒麟がくる世の中」を作っていけると信じていた。それゆえこの決断は身を切るほど辛かったはず…。ハセヒロさんの魂の芝居に本当に感動しましたし、それを受けてぼろぼろ涙を流し見送った滝藤さんの芝居も素晴らしかった!

このあたりは全然感想書けてなかったので、ついつい長文になりがちになってしまいすみません(汗)。本能寺編は次の記事にて。

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