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15年大河ドラマ『花燃ゆ』第3・8回

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村上新悟さんが連続出演した大河ドラマの3作目(実質4作目)が2015年に放送された『花燃ゆ』です。

この大河ドラマ、実は始まる前の私の期待値がありえないくらい高かったんですよね。嘘でしょ!?ってくらい好きな役者さんがザクザク配役されていたのでw。その筆頭が最後の最後に相手役となった大沢たかおさんでした。作品目当てで見に行ったミュージカル『ファントム』での芝居に衝撃を受けすぎてその勢いのままFCに入って以来(現在も継続中w)大好きな役者さんです。
さらに朝ドラ「ごちそうさん」でファンになった東出くんや夜ドラ「眠れる森の熟女」でファンになった瀬戸くん、NACSの音尾くんや舞台で頑張ってた姿が好印象だった大野くん、さらにさらに四季を退団してからの活躍が水を得た魚のように華々しい石丸幹二さんの大河デビューなどなど、もう、この大河って私のために作るんじゃね!?って思っちゃうほどwwww魅惑のキャストがてんこ盛りだったもので。

それがまさか、あんな大バッシングを浴びるほどの大河に成り果ててしまうとは…ねぇ…。まぁ、そもそも全く知名度のない…しかも女性が主人公の大河でしたから色々難しさは始まる前からあったと思われます。それを見越してのあのキャスティングだったっていうのもあったようですし。正直なところ、私個人としては「松陰の妹」ではなくて「吉田松陰」その人にスポットを当てたものにしたほうが良かったんじゃ…って思ったくらいだった。
特に有名エピソードを持たない女性を主人公に描くことの難しさってやはりあるんですよね。主役だからスポット当てなきゃいけなくなるわけだけど、そこを大河ドラマとして見たときにエピソードがぬるく見えすぎてしまう、みたいな。

それとNHK的にまずかったのが宣伝時に使っていたキャッチコピー。「幕末男子の育て方」みたいなやつ。これを見て敬遠した人も多かったと聞きます(苦笑)。それから脚本家が最終的に4人になったっていうのも問題だったかもねぇ…。多すぎでしょう。ストーリーぶれちゃうこともしばしば(苦笑)。

だけど、個人的には、これまでの中で最低な大河とは思っていません。私の記憶の中から排除したくらい最悪だったあの『江』に比べたら、全然面白かったですよ。幕末の動乱あたりまでの展開は好きなエピソードも多かったし。特に松下村塾の塾生たちが必死に生きている姿は心打つものがありました。伊勢谷さんの松陰先生もカッコよかった。役者さんたちの熱演はエネルギーに溢れていて見応えありました。大沢さんを毎週見られるという個人的楽しみも嬉しかったし。

ただあれだけ放送中からバッシングが激しいと作り手も役者も多少なりとも辛いものあっただろうなと思います。大沢ファンの間ですら悲観の声しか聞こえてこない状況でしたし(苦笑)。私は『江』の免疫があったからというのもあるかもしれませんがw、そこまでダメ大河だとは思ってなく意外と楽しんで見てたので、大沢さんファンミの時に「大河毎週楽しく見てます!」って伝えたらめちゃめちゃ喜んでくれたんですよね…。あの時、大沢さん的にも参加してる大河について複雑に想う部分もあるのかもしれないなと思って嬉しい反面ちょっと切なくなりました。

こんな風に『花燃ゆ』擁護なこと書くと反感もきそうですが、私は世間が言うほどこの大河のこと嫌いじゃなかったです。たぶん『江』についても誰がなんと言おうが好きって思う人もいるだろうし。感じ方なんか人それぞれ。だからここでは正直に書きます。そこそこ好きな大河でした。

2015年大河ドラマ『花燃ゆ』

脚本・大島里美、宮村優子、金子ありさ、小松江里子
主演・井上真央

そんな『花燃ゆ』に村上さんが登場したのは2回ほど。この大河での村上さんについては個人的にも思い入れがあるので以下、少し考察していきたいと思います。

村上新悟さんがこの時演じられたのが、東出くん演じる久坂玄瑞のお兄さん・久坂玄機さんでした。ストーリー上、登場してくるシーンはすべて回想場面だったんですよね。というのも、玄機さんはすでに病で亡くなっていて玄瑞くんの心の中での存在だったので。

ところがですねぇ、このお兄さん、めっちゃ温かくてええ人なんですよ。回想でしか登場しなかったけど、その温かさが見ていてすごく印象に残ってて…、このキャラもっと出番あればいいのにって思ったのを覚えています。これまでの村上さんが登場した大河はリアルタイムで気に留めることはほとんどなかったのですが(八重の桜の時は「カッコいいな」程度にサラッと思ったことはあったけどw)この『花燃ゆ』で初めて、演じてる役者はどんな人なんだろうって認識しました。出番多かったら人気出たかもしれないのにって残念に思ったくらい。

まず最初に登場したのが、玄瑞が自分の将来について深く悩んでいた時の回想シーン。久坂家は医者の家系だったのですが、玄瑞は武士になって新しい国造りに参加したいという夢がありました。そんな彼の気持ちを一番理解してくれていたのが村上さん演じる玄機お兄さんです。

「よし!医者としての仕事は兄の俺が引き受けた!お前は好きに生きろ」

もう、なんって優しい理解のあるいいお兄さんなの~~!!と感動しましたよ、すごく短いシーンではあるんだけど。あの時代、こんな風に言ってくれる身内なんてそうそういなかったと思えるだけになおさら心に響くシーンだったんですよね。しかも、セリフ回しに弟を愛しく思ってるっていうのがビリビリ伝わるんです。

切ないのは、このお兄さんがもうこの世にいないってこと…

あの優しかったお兄さんは病気で亡くなってしまっているんですよね。両親に続いて兄も失ってしまった玄瑞は天涯孤独になった上に武士になるという夢を追えなくなるかもしれない現実に直面。ペリーが来航して攘夷への心が芽生え始めていた玄瑞は大いに悩むことになるわけです。

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そして時代は動いて松陰は密航を企てた罪で野山獄送りとなり、以後謹慎生活に突入。この時松陰が妹の言葉にヒントを得て始めようと思い立ったのが塾。後の松下村塾です。まず手始めに生徒を集めようということで白羽の矢を立てたのが久坂玄瑞でした。
ところが、玄瑞の書いた手紙にことごとく反感を買うような返事を書きまくって挑発する松陰先生w。いよいよ怒りの頂点に達しようかというときにふと玄瑞の目に留まったのがある刀でした。ここで再びお兄さんとの回想シーンに入ります。

「代々久坂家に伝わる刀じゃ。医者の俺には不要のもの。お前が武士になった時、この刀を使うてくれ」

もうねぇ、これ、慈愛に満ちすぎたお兄ちゃんで…ほんと今見るとものすごく泣けますわ。この時も玄機お兄さんがいかに弟想いだったかというのがセリフの中からひしひしと伝わってきます。

さらに、玄瑞が海外の大砲の絵を描いた紙をお兄さんに見せたときのエピソードも泣けます。

「これはよ~出来とる!よう一人で頑張ったな!」

これを言われた時の東出@玄瑞くんの嬉しそうな顔!!分かる、分かるよその気持ち!あんなふうに優しく温かい言葉で褒められたらそりゃめっちゃ嬉しくなっちゃうよ

「玄瑞、おまえは学問に向いとる。藩医の仕事は兄に任せろ!!お前は大いに学問して立派な武士になれ」

玄瑞の親代わりでもあった玄機お兄さんですが、もうほんとに可愛かったんだろうね、弟のこと。まぁ現実にこういうお兄さんだったかどうかは分かりませんが、少なくとも、村上さんが創り上げた玄機さんは優しく温かい菩薩のような素敵な人物でした。
もう、リアルタイムでこのお兄さん見てた時、次の出番何時だろうって思うくらい気になる存在だったんですよ。玄機さんにもっと会いたいと。だけど待てど暮らせどその後登場はなくここで出番終了してしまって…。めちゃくちゃ残念に思ったんですよね。

この回想シーンのあと、いよいよ松陰からの返事に堪忍袋の緒が切れた玄瑞は兄から受け継いだあの刀を手にしたように見える場面があるわけですが、結果的に彼が持ち出したのは竹刀だった。それほど玄瑞のなかでは兄の存在は大きく忘れられない大切な人なんだなって思いました。
そう思えたのは、あの、村上さんが演じた玄機さんの回想シーンがあったからこそです。ホント素晴らしかった。

出番はこの2回分だけで撮影も数時間で終わったって話してたけど、実際に髪を剃って坊主にして役を作り上げた村上さん。放送当時、本当に坊主にしてたなんて思いもしなかったから、あのエピソード知った時は本当に驚きました。少しの出番でも真摯に役に向き合う姿勢がきっと今に繋がっているんだと思います。

今年の大河『真田丸』で村上新悟さんを知ったばかりの頃は『花燃ゆ』に出てたあの気になる役者さんだったとは思いませんでした。なので、あとからその事実を知った時は驚いたと同時にものすごく嬉しくなった記憶があります。あぁ、やっと出会えたと。あの時、「この役者さん、もっと出番あれば人気でるのに」と残念に思ってたことが「真田丸」で見事に開花しました。それがとても嬉しいです。
そういう意味で、『花燃ゆ』は村上新悟さんに興味を持つ入り口となった思い入れ深い作品でもあります。

村上ファンの皆さんにはぜひ見てほしい久坂玄機さん。出演時間は少ないですが、村上さんが演じた中では個人的に3本の指に入るほど印象深く大好きな人物です。かなりおすすめ

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